時差投稿ですが、昨年12月に栃木県立美術館の企画展「絵本のひみつ展」(現在は終了しています)へ行ってきました。
なんでも、福音館書店の月刊絵本「こどものとも」の初期作品の原画などが展示されているとのこと。 友人からの出産祝いで「こどものとも」の定期購読をいただいたことがありまして。毎月届く薄いけれど中身の濃い絵本たちには、親子共々とてもお世話になってました。
そんな思い入れのあるシリーズの原画が見られるなんて、これは行くしかない! あわよくば、ミュージアムショップで絵本も買いたい!(むしろこっちがメインかもしれない…笑)
そんな淡い期待と欲望を胸に、いざ宇都宮の街中へ繰り出しました。

週末の美術館は駐車場も満車!
栃木県立美術館があるのは宇都宮市の中心部。 訪れたのは週末ということもあり、到着した頃には駐車場はすでにいっぱいでした。 「これは停められるかな…?」と少し焦りましたが、なんとかスペースを見つけて駐車完了。
車を降りると、12月の冷たい空気が肌を刺しますが、天気は快晴。 美術館の重厚な建物を前に、少し背筋が伸びるような気持ちで入口へ向かいます。

いざ、「絵本のひみつ展」へ!しかし…
入口で入場料を支払い、意気揚々と企画展の会場へ足を踏み入れました。
広い展示空間には、数々の名作絵本の原画がずらりと並んでいます。 印刷された絵本では分からない、筆のタッチや色の重なり、紙の質感。 そして、「1ページの絵本が出来上がるまで」の工程を紹介する展示もあり、 「へぇ、こんな風にいくつもの版を重ねて色が作られているんだ…」 「ここの修正、原画だとこうなってるんだ!」 と、大人の私は興味津々。 普段何気なく読み聞かせている絵本の奥深さに触れ、じっくりと説明書きを読み込みたい衝動に駆られます。
しかし。
そんな私の知的好奇心を許してくれるはずもない、小さな怪獣が一人。
「あー!あー!(走りたい)」 「んー!(抱っこじゃない、降ろせ)」
静寂に包まれた美術館の空気などお構いなしに、ゆーくんが騒ぎ始めました。 抱っこ紐から抜け出そうと暴れ、降ろせば展示室を駆け回ろうとする2歳児。
…うん、分かってた。 来る前から薄々感づいてはいたんです。 「テーマが絵本だし、ワンチャンいけるかな?」なんて思った先週の私よ。 無理だったわ。
周りを見渡せば、静かに絵を鑑賞する大人たちばかり。 シーンとした空間に響く息子の声に、冷や汗が止まりません。 「シーッ!」「あっち行こうね~(汗)」と小声でなだめつつ、展示の9割をサッと早歩きで通り過ぎる羽目に。
私の「絵本のひみつ」を探る旅は、開始数分で「いかに静かに出口まで辿り着くか」というミッションへと変わりました。

ミュージアムショップで自分へのご褒美
逃げるように展示室を抜け出し、出口近くの売店へ。 あぁ、もっとゆっくり見たかった…という未練はありますが、こればかりは仕方ありません。怪獣連れのアート鑑賞は、まだ少し早すぎたようです。
でも! ここにはもう一つの目的、「絵本を買う」という楽しみが残っています。 売店には、展示されていた作品に関連する絵本がたくさん並んでいました。 「せっかく来たんだから、何か記念に連れて帰りたい」 そう思って棚を眺め始めると、今度はどれにするかで迷う迷う。
悩みに悩んだ末、ゆーくんも気に入りそうな2冊の絵本を厳選して購入しました。 これで私の心も少し満たされました。

黄金色の公園と、無限ループの滑り台
一刻も早くこのエネルギーの塊(息子)を解き放たなければ…。 美術館の建物を出て、隣接する公園へと向かいます。
外に出た瞬間、目の前に広がっていたのは一面の黄色い世界。
12月、ちょうどイチョウの葉が見頃を終えようとしていた時期で、木々の下は散った葉で埋め尽くされ、まるで黄色い絨毯のようになっていました。 西日に照らされたイチョウの葉がキラキラと輝いて、本当に綺麗。
さっきまでの美術館での窮屈さが嘘のように、ゆーくんは水を得た魚…いや、野に放たれた犬のように駆け出しました。 カサカサ、カサカサと音を立てる黄色い絨毯の上を、小さな足で力強く踏みしめていきます。

そして、彼が一目散に向かった先は…やっぱり滑り台。
「きゃー!」と歓声を上げながら滑り降りてきたかと思うと、 着地するやいなや、すぐに登り口へダッシュ。 階段を一生懸命登り、また滑る。 そしてまた走って登り口へ…。
恐怖の無限ループ、開始です。
美術館の静寂とは打って変わって、公園は近所の子どもたちや、美術館帰りの家族連れでとても賑わっていました。 みんな思い思いに走り回り、笑い声が響いています。 やっぱり、2歳児にはこっちの方がお似合い(笑)
寒空の下の30分
楽しそうな息子の姿を見るのは嬉しいのですが、季節は12月。 まだお昼前とはいえ、じっとして見守っている親の方は寒さで凍えそうです。 イチョウの美しさに心洗われつつも、「寒い…早く車に戻りたい…」という本音が漏れそうになるのを必死に堪えます。
結局、延々と続く滑り台ループに30分ほど付き合い、 「そろそろお腹空いたね~!」 となんとか説得して、帰路につきました。
美術館での優雅な鑑賞タイムとはいきませんでしたが、 美しいイチョウの景色と、新しい絵本、そして息子の全力の笑顔が見られたので、それでよし。
「絵本のひみつ展」、ゆっくり見るにはもう少し子どもが大きくならないと難しそうですが、絵本好きにはたまらない素敵な空間でした。 買ってきた絵本を読み聞かせながら、またいつかリベンジできる日を夢見たいと思います。
皆さんも、冬の美術館へお子さんと行かれる際は、その後の「公園タイム」の防寒対策もお忘れなく!(笑)


コメント